生物学と理性に基づく悲

動物の母親たちも、オキシトシンというホルモンの力によって新生児と強い絆を感じます。人間の赤ん坊も動物の赤ん坊も、愛情のこもったケアを求めているという点ではみな同じです。ですから、悲―他者が苦しみから解放されるように願う気持ち―の種は、私たちの生物学的な本能の中にあるのです。そして、この種は「私たちの生存は悲に依存しており、その点においてあらゆる衆生は平等である」という論理によってさらに強固なものになります。

あらゆる行動の結果は動機に左右されます。同じ行動であっても、その背後にあるのが煩悩であるかポジティブな感情であるかによって異なる結果が生じるのです。また、同じような一般的な感情―たとえば悲―に動かされて行動をとるときにも、その感情の情緒的・精神的な背景が結果に影響を及ぼします。

ビデオ : ダライ・ラマ法王14世 — 実際的な慈悲
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