心を乱す感情に対処する:恐れ

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人生において意義のあることを行おうとするとき、恐れは大きな妨げとなります。恐れは無明に端を発して心をかき乱します。特に安心するとは何かを知らない場合、恐れは一段と強くなります。しかし、応急処置や一時的な処置など様々な方法を組み合わせれば、恐れによる金縛りを解くことができます。

恐れの感情をコントロールする応急処置

チベット仏教では多羅菩薩が私たちを恐れから守ってくださるとされています。多羅菩薩は身体の機能や呼吸を司るルン(風)の象徴ですが、これらが浄化された後に目的を達成する能力の象徴でもあります。このことから、呼吸や微妙なエネルギーをコントロールして応急的に恐れに対処する方法のヒントを得ることができます。

ここで紹介する対処法は、瞑想や学習を始める前に行う準備にもとづくものです。もともとこの準備自体に強い恐れを感じるときやパニックを起こしそうなときなどの緊急時に心を鎮める働きがあり、このあとに更なる対処を行うための基礎作りにもなります。実践するときは、以下の手順のうち一つだけを行っても、五つ全てを順番に行っても構いません。

  • 目を閉じて呼吸のサイクルを数える。「息を吸う→吐く」を1サイクルとする。空気を体内に吸い込む感覚、吸い込んだ空気が下りてゆく感覚、下腹部が膨らむ感覚、またしぼむ感覚、空気が体外へ出てゆく感覚に意識を集中させる。
  • 薄く目を開けて呼吸のサイクルを数える。薄目を開けて床をぼんやり眺める。「息を吸う→少し間を置く→吐く」を1サイクルとする。1.と同じ身体感覚に意識を集中させる。しばらく経ったら、臀部が床や椅子に接している感覚にも意識を向ける。
  • 達成したい目標や動機を冷静に見つめなおし、なぜ達成したいのかを再確認する。
  • 意識とエネルギーが、カメラのピントが合うようにクリアになってゆく様子をイメージする。
  • サイクルを数えずに、下腹部が膨らんだりしぼんだりする感覚に集中する。体内の全てのエネルギーが、お互いに調和しながら流れている状態をしっかりと感じる。
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