人生が退屈で無意味に感じられるときは、自分の欠点を克服して能力を発揮できるように努めると、有意義な方向性を得ることができます。
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解説

多くの人々が、自分の人生はどこにも向かっていないと感じています。仕事が無意味だと感じている人も、仕事を失って将来に何の見通しも持てない人もいるでしょう。あるいは、まだ学校に通っている人でも、教育の意味や価値に疑問を抱いているかもしれません。彼らはものごとがどんどん悪くなることを恐れていますし、鬱状態に陥る危険もあります。一方で、多くの人が何か有意義なことをしたい、世界にポジティヴな変化を起こして、その成果を他の人々と分かち合いたいと考えています。多くのお金を稼いでも、多くのものを持っても、人生の意義への渇望は満たされないと気づいている人はたくさんいます。

仏教では、安全な方向性、つまり帰依と関連付けてこの問題に取り組みます。私たちが今持っている人間としての貴重な生は死によって必ず終わること、そして現世で何もポジティヴなことをしなければ、悪道(より悪い生)に転生するかもしれないことに気づくと、この生をありがたく思い、無意味に生きてしまったらいかに後悔するかを理解します。そして、現世において状況がさらに悪化することを恐れるようになります。

仏教が示す安全な方向性、すなわち帰依は、三宝によって表されます。中心となるのはダルマ(法)、すなわち真の停止(滅諦)と真の道心(道諦)です。言い換えると、欠点を克服し、長所(徳)をさらに培い、可能性を最大限に生かすように自分の良い特質を磨くことです。ここで言う欠点には、煩悩(心を乱す感情)、集中力の欠如、利己、上手くコミュニケーションができないことなどが含まれます。一方、良い特質に含まれるのは、優しさ、思いやり、忍耐、理解、寛容さ、誠実さなど、人間としての基本的な価値と、倫理観、集中力、洞察力などです。滅諦と道諦を完全に達成したのが仏であり、部分的に達成したのが僧、すなわち高いレベルで悟った師(アリヤ)たちです。彼らと同じ目標を見据えて自分を高める努力をすると、人生に大きな意味が生まれるでしょう。

私たちはものごとを他の人々と分かち合うのが好きですが、それは自分の成功をソーシャルメディアでシェアすることだけを意味するのではありません。自信が深まると、様々な形で他者を助けることで、自分の成長を分かちあうようになります。ですから、「状況がさらに悪くなることへの恐れ」、「自分を高める努力は状況の悪化を防ぐ安全な方向性だという確信」、「自分の成果を分かちあって力になりたいと思う人々への気遣いと思いやり」の三つが、帰依、すなわち、人生の方向性を定めるための基本だと言えます。

瞑想

  • 呼吸に集中して心を静める。
  • 自分の人生について考え、それが有意義に思えるかどうか判断する。
  • 自分の人生を他者とどのように共有したいかを考える。
  • 欠点を克服し、持てる能力を開花させることが、自分の人生に大きな意味を与え、雑事だけでなく有意義なことも他者と共有できるようになると考える。共有したこと(オンラインでシェアするだけではなく、個人間の交流において)が、何らかの形で他者を助けたら、どれほど素晴らしいかを考える。
  • 崖から落ちて、人生の有意義な目標を見失った抑うつ状態に陥っている様子を想像する。
  • 自分を高める努力が心の落ち込みを防ぐこと、さらにそれが、他の人々にも分け与えられる贈り物になることを考える。
  • 人生における方向性を定める決心をする。
  • 自分が崖から落ちそうな状態にあると想像しながら同じことを考える。
  • 崖からは離れているが、徐々に崖に近づいていると想像して、同じことを考える。

要約

自分の人生がただの繰り返しで、退屈で無意味に思えるときには、先を見越したアプローチを取らなくてはなりません。自分にも他人にも有意義な、ポジティヴな方向性を定めましょう。その方向性とは、欠点を克服して、持てる能力を発揮できるように自分を磨くことです。この目標を完全に達成することを最終目標に定めるかどうかにかかわらず(完全に達成した人々が仏、ある程度達成した人々が、高いレベルで悟った僧、つまりアリヤです)、この道を歩むことによって、人生の質は大きく向上するでしょう。

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